
「“当たり前の日常”の基盤をつくり、地域に貢献したい」
企業版ふるさと納税 企業インタビュー #02
NTTデータカスタマサービス株式会社 北陸支社(石川県金沢市)
富山市が取り組むプロジェクトに対し、“企業版ふるさと納税”による寄附をいただいた企業は、どのような理由やきっかけで寄附に至ったのでしょうか。インタビューでは、率直なご意見や富山市への寄附に対する想いについてもお聞きしました。
今回、お話を伺ったのは、ITシステムのライフサイクルをトータルにサポートする「NTTデータカスタマサービス株式会社 北陸支社」様です。
(写真左側)北陸支社 支社長の平井孝広さんと (写真右側)営業部 部長・カスタマサービス部 部長の上田貴浩さん
■企業プロフィール
NTTデータカスタマサービス株式会社 北陸支社(https://www.nttdatacs.co.jp/)
1998年創立。NTTグループの情報システム・ITサービス事業を担う各種社会インフラのデリバリーを行うフィールドサービス会社。地方自治体、官公庁、金融機関、企業等さまざまなお客さまに、ITインフラの企画・設計・構築から導入、運用、保守までを一貫サービスとして提供。全国に8支社、189拠点で事業を展開。従業員1,056人(2025年4月1日現在)。北陸支社は富山、石川、福井の3県を所管。管内に6拠点をもち、富山県内では富山市と高岡市にサービスセンターを置く。
まずは、御社の事業内容について教えてください。
当社は、システム開発やITコンサルティング、クラウドサービスなどを展開するNTTデータグループの一員で、みなさまの暮らしに必要なITシステムの企画・設計・構築から、導入に関する工事、24時間365日の運用・監視・保守までをトータルにサポートしています。グループ内のフィールド機能会社として、最もお客さまに近いところで一貫した継続的なサービスを提供しています。
北陸支社は、北陸三県の中でも富山とのつながりが強く、『TOYAMAキラリ』内にある富山市立図書館のシステムや、ICT(情報通信技術)を活用した地域医療連携のネットワークをはじめとして、さまざまなシステムを手がけてきました。
富山市立図書館のシステムは約12年前、富山市丸の内にあった旧本館時代から、地域医療連携は約18年前から手がけさせていただいています。
数ある自治体の中で富山市に寄附することにした理由やきっかけは?
昨年度から会社全体で、社会貢献できる活動を探していたところ、「企業版ふるさと納税」がマッチするという結論に至りました。今回初めて制度を活用するにあたり、寄附先の自治体について社内プレゼンテーションを行うことになりました。北陸支社では、富山市での「AIオンデマンド交通」(利用者予約に対してAIを活用しリアルタイムに最適配車を行うシステム)をはじめとしたさまざまな先進的取り組みを知り、富山市が「スマートシティ推進事業」のパイオニア的存在であることに加え、当社が地域貢献において目指す姿と共通点が多いと感じたことから、富山市への寄附を決定しました。
今回、寄附対象事業の中から「スマートシティ推進事業」を選定された理由である共通点とは?
当社は、お客さまにより多くの付加価値を提供するため、2025年4月に企業ビジョンをアップデートしました。全社でディスカッションしながら策定した新たなビジョンが、「“くらし”をつなぐ~技術と知恵で日本をつくる~」です。社員がどのような価値観をもって仕事をすべきか、いろいろな意見や想いを伝え合い、当社のビジョンを改めて認識し、社員間で共有しました。
合計で700人近くの社員が参加し、対面やオンライン形式で活発な意見が交わされた。
富山市のスマートシティ推進事業は、デジタルの力で地域の真価を引き出して“新価”を生み、まちをより良くして市民生活をより豊かにするというものです。持続可能な都市経営実現のため進められてきた“未来へつなぐコンパクトなまちづくり”や、スマートシティ推進事業の施策テーマである“ありたい暮らし”など、富山市と当社のビジョンがまさに同じで、これらの共通点に親和性を感じ、寄附に至りました。
富山市へのご寄附に込められた想いを聞かせてください。
当社のミッションは、私たちの経験や技術を最大限に活かし、ITのしくみを使って、社会の“当たり前の日常”の基盤をつくり、地域貢献していくことです。
富山市も人口減少や少子高齢化、公共交通の維持など、さまざまな社会課題をおもちです。そんななかで、“ありたい暮らし”を、寄附を通じて応援したいという想いや、顕在化し進行する課題に対し、当社として最善策を生み出していきたいという想いもあります。
ご検討からご寄附までの期間はどのくらいでしたか?
当社は全国のほかの支社でも、当社が手がけるITに結びつく事業の中から、新潟県南魚沼市の「教育環境充実」、愛知県豊川市の「防災・企業誘致」、島根県邑智郡邑南町の「AI活用/DX化」、宮崎県児湯郡木城町の「獣害対策」など、幅広い事業に寄附を行っています。
寄附先の自治体を支社ごとに選定し、承認を得て寄附を行うまでに約2カ月。北陸支社が富山市を寄附先に決定してからは、寄附まで1カ月半程度でした。
富山市への企業版ふるさと納税を活用したメリットはどのような点だと思われますか?
メリットは数多くあります。まず、富山市との関係性が構築でき、つながりが深まることで、事業の計画段階からさまざまな情報に触れることができます。富山市は日本の縮図のような都市ですので、富山市が手がける地方創生プロジェクトへの想いや具体的な内容を直接伺えて課題やニーズを理解できるうえ、情報発信の面でも学ばせていただくことが多く、当社の事業の視点から、できることが見えてきます。
先日は、当社の稲村社長が富山市役所を訪れ、藤井裕久市長から感謝状をいただきました。贈呈式後には対談も行われ、事業に込められた想いなどについても意見交換することができました。
また、全国で均一的なサービスを提供できる当社の強みを活かし、課題解決の実績やノウハウをほかの自治体にも展開することが可能です。これにより、各地域が抱える共通の課題に対しても効果的な解決策を提供し、さらなる地域社会への貢献につなげていけると考えています。
例えば、他の支社において害虫・鳥獣被害の軽減に向けた新たな被害防止システムの実証実験を大学と共同で実施しており、撮影した画像データからAIで害虫の有無を検知する仕組みや、電気柵をIoT化して野生鳥獣の侵入を生産者に通知する仕組みなど、困っている全国の自治体で展開できないかといった検討も進めています。
富山市へのご寄附を通じて得られた社会的価値はどのような点だと思われますか?
寄附の取り組みを全社員に周知することで、社員の共感や賛同を得ることができ、会社への信頼や貢献意欲といったエンゲージメントの向上にもつながったと感じています。また、「このような社会貢献事業に携わることができる企業である」と対外的に発信することで、アウターブランディングとしての効果も得られたと考えています。
最後に、企業版ふるさと納税を検討されている企業へ一言お願いします。
制度の活用で、「CSR」(企業の社会的責任)やSDGs(持続可能な開発目標)の推進に取り組みながら、社会貢献を通じて地域の発展や市政を応援することができます。地域の未来をともにつくり上げていくという大きなミッションに、自治体と手を携えて参画できることは、私たちにとって大きな意義があると感じています。当社はITを強みとしていますが、企業ごとに異なる強みを活かしあうことで、より良い暮らしや新たな価値を自治体とともに見つけ、創り出していけるのではないかと考えています。
ご支援に対する
富山市スマートシティ推進担当課からのコメント
このたびのNTTデータカスタマサービス様からのご支援、そして本市の取り組みへのご期待に、心より感謝し、大変嬉しく思っております。
富山市では、人口減少が避けられない中で持続可能な都市であり続けるため、コンパクトシティ政策に取り組んできました。こうした中、市民の皆さまが市内のどこに住んでいても不便さを感じることなく、誰もが豊かさや暮らしやすさを実感できるよう、デジタル技術の導入やデータの利活用が近年ますます重要になってきております。
この富山市版スマートシティの実現には、企業等との連携や共創が不可欠であることから、産学官連携組織である「富山市スマートシティ推進プラットフォーム」を設立するなど、産学官民が一体となってスマートシティの推進に取り組んでいるところです。
こうした本市の取り組みを後押ししていただけることは、大変心強く感じているところであり、引き続き、富山市版スマートシティの推進を応援していただけますと幸いです。